天敵登場!お姉さんの甘い罠!

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女子生徒は莉王の間近まで歩み寄る やっと莉王が気付いて振り返る その時 ハンカチが、莉王の顔に押し当てられる 彼は驚いた表情を浮かべて、すぐにカクン、とうなだれてしまう クリスが驚愕した瞬間、轟鬼は走りだしていた しかし、あと数m程の所でで立ち止まる 間合い 目の前の女子生徒から、手練の雰囲気が漂う これ以上近づいたら、危険だと判断した 自分も、莉王も 女子生徒は半分だけ振り返ると、にやりと笑った そして、フェンスを蹴り上り、あろうことか飛び下りた 「な…」 轟鬼に追い付いたクリスが口を押さえる 「リ…リオ様ぁ!」 フェンスまで近寄る その時には、轟鬼はフェンスの上に立っていた 「案ずるな、クリス…」 落ち着き払った口調で、慌てる彼女をなだめる 「あの二人は落ちてなどいない」 「…!?どうしてわかるんですの!?」 やや興奮気味のクリスを振り返りつつ、轟鬼は屋上側へ下りる 「…やはりあの女、見覚えがある」 ○ ぱち、と莉王は目を覚ました 眠い 欠伸が出る と、辺りに意識が向く 「…どこ?ここ…」 見たこともない場所だ だが、壁は見たことがある 「…学校?」 「そう、ここは東星高校だよ」 「みゅ!?」 どこからともなく聞こえる声の主を探そうとする しかし、あることに気付く 後ろ手で縛られている…足首もだ それに、横になっている 「みゅ…みゅみゅ~!」 莉王は暴れるものの、もちろん拘束は解かれない
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