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「ははは…無駄だよ、それは五回も固結びしたんだ、なかなか取れんよ」
また、不敵な声が響く
なんだか、捕われたヒーローみたいな雰囲気だ
エロ漫画だと、凌辱輪姦フラグだ
…え、なんですか?
…はい、持ってますよ、そういうの
若気の至りですよ
さて、拘束された莉王
どうしようもない状況
明奈がこんなとこ見たらこの小説は18歳未満閲覧禁止になってしまいます
「みゅ、みゅみゅ~!」
とりあえず暴れてみる
やはり無駄らしい
「ふっふっふっ…どうだい、怖いかね?」
「…ふ…」
うるり、と莉王の目の端に小さな雫が
「ふえぇぇぇ…」
泣いちゃった
しかし、意外にも
「え、ちょ、泣いちゃうの?え、そんな怖い?」
謎の声の主はすごく狼狽している
しかも、声色まで変わっている
さっきまでクールだった声が、今はあわてふためく少女の声だ
しかし、莉王はそんなことには一切気付かず、泣き続けている
「ふえ、ふえぇぇん…お姉ちゃぁぁん…」
「い、いやいや!泣き止んで!お願いだから!泣かせるつもりなんてないんだから!」
「これ取ってぇ…ぐすっ…」
「わかった!今解くから!」
突然、背後に人の気配がした
その人は莉王を縛る紐を解き始めた
「あれ、ちょ、これ、どれだけ固いの?ねぇ、解けないんだけど」
「え~?ちゃんと解く時は解きやすいように縛ったつもりなんですけど…あ、やだ、これ秘伝の結び方だ…」
なんか一人増えた
「え、何?秘伝の結び方?」
「なかなか解けない結び方です、荷物の梱包とかに使われる結び方です」
なんだか、変な会話だ
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