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「みゅ~…」
莉王は催促をするように体をよじるものの、どうやらその秘伝の結び方はなかなかの強敵のようで
「あれ?こっちだったかな?いやいやそれともこっち?」
「ち、ちょっと、自分が結んだんでしょ?」
「結びましたよ?でも、秘伝の結び方なんで…」
解けないと
「これどうだっけな~?右だったっけ?…縦?」
なにそれ?
と言いたくなるような解き方である
「う~ん、こんなことだったら、まわりくどいことしてないで、普通に会えば良かった」
「いや~、申し訳ないです」
全ては莉王の背後で行われていることなので、彼は待つしかない
「ここで一回左に回して…次にこの穴に通して…」
待つしかない
「で、この穴をついて」
待つしかない
「いやでもそしたらなぁ…シールドブレイクされちゃうしなぁ…」
デュエルマスターズやってますね
ボルシャックドラゴン!召喚!
とかやってますね
紐解くの諦めてますね
「みゅ~…」
「あ、ごめんなさい、私、結び方知ってても、解き方わからないんです」
ありゃま!
「みゅ!?」
じたばた、と莉王は暴れる
「や~ん、取ってぇ…」
「う~ん、刃物しかないですね…」
え、と謎の声の主が驚く
「はは、刃物!?危なくない!?」
「大丈夫だと思います」
「『大丈夫』と『思います』って、並べたら信憑性0なんだけど」
さすがに刃物と聞いて、莉王の体が強張る
「う、うみゅ…」
「大丈夫ですよ、痛くなんてしないですから」
信憑性0である
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