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「ここに通して…えいっ」
ブツン
急に拘束が無くなったので、ぽん、と手を身体の前に持ってくる
「みゅ」
「じゃあ足の紐も外してあげますね」
またブツン、と何かが切られる音がする
「みゅ!取れた!」
「よかったですね」
そもそもこの人のせいなのだが
莉王はようやく振り返り、二人と思われる、拘束した謎の人物…二人共制服を着ているので、生徒と思われる…を見る
「…みゅ」
一人はショートヘアの少女、もう一人はサラサラの長い黒髪の…
「…おっきい…」
胸の少女だった
なにも、おっきい、という言葉が出たのは、莉王がおっぱい星人だからではない
今まで見たことがないくらいのばくぬーだったからだ
花よりも大きいだろうか
「あれ、こっち向いちゃいましたよ」
ばくぬーの方が隣の少女に耳打ちする
「いやもういいよ、最初からこうして対面すればよかったっつったじゃん」
なんだかいやに貧相な胸に見える少女がため息をつく
そして、すたすたと近寄る
「あの~、日村…君だよね」
「うん」
「私は
大澄 真央(オオスミ マオ)、手紙の差出人よ」
真央は前屈みになり、手を握る
「で、こっちの女の子が」
ばくぬーの少女が前に出る
「吹雪(フブキ)です、さっきはごめんなさい」
ぺこり、と頭を下げる
「みゅ?」
莉王は首を傾げる
「さっき、急に眠らせちゃって、すいません」
「うぅん、名字は?」
「え」
「名字は無いの?」
「いや、私は忍ですから、名字はあって無いような物です」
ぴこん、と莉王の耳が揺れる
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