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「 優しい音色 」
カラクリ仕掛けの音色。ネジを巻き、鳴り響く音を聞きながら、貴方を待っている。
「...涙(るい)、早く帰って来ないかな?」
私は、付き合ってから初めて貰った彼の手作りオルゴールを聴いている。彼は、時計やオルゴールなどのカラクリ仕掛けな物を作る職人。
出逢いは、オルゴールから始まった。
小さな頃から好きだったオルゴール。祖父のアンティーク好きなのが、似たのかな?
ある店に通りかかると、オルゴールが鳴り響いていた。
私は、ふらっと誘惑に負け、中に入っていくと、中にはオルゴール仕掛けの時計に、可愛い人形が踊るオルゴール箱なんかが、置かれていた。
「ああ、可愛い。あっ、この曲...」
さっきとは、違うオルゴールが鳴り出した。その曲は、クラシックの曲で、祖父がプロポーズの際に、流した曲だって話してくれたものだった。
「...どこで鳴ってるのかな?」
綺麗な音色にすっかり魅了され、祖父にあげようと考えた。
歩き回って、見つけたオルゴールは、木製の箱に入っていて、かなり古い物だと思う。
「...あった。結構、年季が入っているみたいだから、高いのかな...」
「いらっしゃいませ。」
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