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小さな頃から、親の愛情すら知らずに育った。
憎まれ、その後に、私から笑顔は消えた
ある日、出逢ってしまった。
それは、高校の花壇の手入れをしている時だった。
「...綺麗なチューリップですね。」
「えっ...」
私は、人懐こい笑顔の学ランの少年に出会った。
今まで、私は存在感がないとされてきたばかりに、声をかけてくれたことが嬉しかった。
「すみません。驚かせてしまって......綺麗に咲いていたんで、つい...」
少年は罰が悪そうな顔をした。私は訂正しようたが、少年は、友人に呼ばれ行ってしまった。
何故か、私は彼が気になってしまった。
それから2年の月日が経ちました
新しい春に、あの少年は園芸部に入部してきたのです。
彼の姿を見てハッとした。チューリップが綺麗と言った。他愛ない言葉を
聞けぬまま、月日は過ぎていく。
そんな日々を送る中、私に死が訪れていることが発覚し、学校を前より休みがちになった。
「...先生!三澤先輩、姿を暫く見ないんですが、どうかしたんですか?」
「国見。彼女は、元々、体が弱くてほとんど、学校に来れないんだ。だけど、他のどの部員より花を愛してる。お前も見習えよ!」
意味深なことを言いながら、去って行く先生に、呆気に取られていた。
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