オリンポス12神

愛と美の神

　
そして、午後の授業が終わった。
美羽は屋上に向かおうとしたが、誰かに呼び止められた。
振り向くと、転校生の霜月桂がいた。

｢ど、どうしたの？霜月くん｣
｢休み時間、みんなに囲まれてて学校見れなかったから…。もしよければ案内してくれると嬉しいな｣

桂は爽やか笑顔で言ったが、美羽は正直戸惑っていた。

｢ごめん、これから用事があるんだ。また今度ね｣

それだけ言うと、美羽は駆け足で教室をでた。桂は美羽の行った方向を見て、クスリと薄く笑った。