第六夜

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「大丈夫かい葉月・・・・・・!」 リクオは咄嗟に懐にあった刀を抜く。 カキーン 葉月とリクオの刃が混じりあい、お互いに距離をとる。 「涙鬼姫殿!何のおつもりか!若に刃を向けるなど・・・」 口々に言う本家の妖怪たちはリクオを助ける為に葉月へ襲いかかろうとした。 「待ちやがれ!」 リクオの強い言葉で妖怪たちは静まりかえる。 「こいつはオレが止める。手出しするんじゃねぇ。」 リクオは妖怪たちを下がらせ静かに刀を構えて葉月の隙をうかがう。 しかし葉月には隙がなかった。 カーン 刀が再び混じりあいお互いに動かなくなった。 葉月の目は虚で顔色も悪くなっている。 そんな葉月を見てリクオは顔を歪め呟いた。 「葉月、もうお前の敵はいないぜ・・・」 リクオの言葉に葉月は目に光を取り戻し、そのままリクオに倒れ込んで気を失った。 .
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