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「うーん、うーん」
奴良組家は、朝から忙しく動き回っていた。
リクオは出入りから帰ってきた後、熱を出し、今、妖怪たちに看病してもらっているためだ。
「ホラよ、薬持ってきてやったぞ」
「ありがとうございますゼン様」
毛じょうろうにお礼を言われたゼンはリクオの枕元に腰を下ろして言った。
「情けね―のな、昼のおめ―はよ。ちょっと気負いすぎて発熱か。」
「・・・・・・・・・ゼン君に言われたくないよ」
「今はおめ―の方が重病だろ―が。借りがあんだ・・・オレにはよ。期待してたんだよ・・・・・・ア―ア・・・・・・朝になればまた元通りか・・・」
頭の後ろに腕を組んでゼンはリクオに問う。
「なぁ本当に出入りに言ったことも覚えてね―のか?」
「それは・・・・・・」
言葉を詰まらせたリクオにゼンは答えなくていいと言って会議に向かった。
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