第九夜

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携帯電話も使えない山奥。 爪を見てから混乱し始めた探偵団メンバーは口々に帰ろうと言い出した。 空は既に暗くなっている。 「待ちたまえ!暗くなった山をおりる方が危険だ!それにバスはもうない」 清継の言うとおり視野がきかない森を歩きまわるのは危険すぎる。 『で、清継くん、何か策でもあるのかな?』 「ふふ!当たり前だよ葉月さん。君はボクに惚れるだろう。この山の妖怪研究の最前線!セキュリティも当然バツグンの別荘があるんだよ!」 あぁ~今の前半部分は聞かなかったことにしよう。 妖怪にセキュリティなんてきくのかというリクオの疑問。 しかし清継は何か出たという話は聞いたことがないと言う。 「それにほら!おそわれたとしてもこっちには、少女陰陽師花開院ゆらくんがいるわけだ!ねぇ!?ゆらくん大丈夫だよねぇ!?」 結局人任せかと清継に内心ツッコミをいれながら、当の本人を見てみればお財布の中身を確認している。 ちらと数字の入った紙が見えたのは気のせいだろう。 .
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