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「なら、真ん中の輸送艦の機関部を狙え。誘爆させるんだ」
デブリ帯から機体を出し、キョウスケの部隊はそれぞれの配置につく。
ヴィレッタが先頭でキョウスケがカヴァー、残る二人が後衛。
『レールガン起動、弾薬装填。周囲の電磁誘導に支障なし』
ヴィレッタの報告と共に、アパレシオンの背部にマウントされていた巨大レールガンがその左肩に固定される。
レールガンは上下をレールに挟まれ、電磁力により弾丸を撃ち出すものだ。
正式な弾薬は、劣化ウラン弾。
『チャージ開始。発射まで後三十』
レールガン発射口付近に青白いスパークが走り、キョウスケはヴィレッタ機の反動による着弾ポイントのズレを無くすため、自機のマニピュレーターで空いている右肩を掴ませた。
『十……八、七、六……』
カウントが進んでいく。
まだ相手が起動するようなそぶりは無かった。
『三……二……一、シュートッ!』
レールガンが一際明るく瞬き、ヴィレッタのアパレシオンが大きく揺らぐ。
「くぬっ……」
それを何とか押さえながらも、キョウスケは弾丸の行方を追う。
劣化ウラン弾は吸い込まれるように小型輸送艦に直撃し、大きな炎を上げていた。
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