第一章・ヤマト

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月と地球の間に位置するL1宙域には、三つのコロニーがある。 一つは、現在アキラが隠れている生活プラント群からなるセントラル。 二つ目は農業プラント群からなるイースト。 そして三つ目の工業プラント群からなるウエストだ。 そのウエスト内のとある造船ドッグで、ある巨大な戦艦の出港準備が進められていた。 「エネルギーチェック完了。反重力波エンジンへの回路接続!」 「発進プログラムチェック、航行コンピューターチェック。メインコンピューターチェック」 「居住区異常無し」 「誘導ビーコン発信」 「ワーニン、ワーニン。まだ機体納品が終わっていないぞ」 「了解。反重力波エンジンの始動を一時停止、フライホール接続準備」 「各部異常無し。システムオールグリーン」 流れるような応対が交わされる中、民間企業アルバトロスの新造戦艦ーーーーーー正式名称AR-303-Y遊撃機動戦艦ヤマト艦長ミヅキ・アオバ大佐は緊張していた。 統合軍及び反統合勢力に所属していた彼女は終戦後軍を除隊していたのだが、今回アルバトロスから元艦長としての経験を買われスカウトされていたのだ。 勿論、スカウトされたのは彼女だけではない。
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