逢う魔

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立葵(タチアオイ)の蔭に 君の幽霊を視た 夕立に濡(ソボ)つ 紫の花弁(ハナビラ)は 君の折れた首に滲む 膿(ウミ)の彩(イロ)に 似て 君は 真っ黒な眼(マナコ)で 僕を見つめたけれど 夕闇反射(テラ)す 鱗雲に 手を振って別れた 何故なら 嗚呼、 往けども往けども 陽炎のやうに 君が立ちのぼるから ほら、 辻の先に 立葵が揺れる .
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