①オレンジのナミダ'

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‘オレンジのナミダくだちゃぃな♪' 店の主人が振り返ると… そこには 小さな男の子が… 「んと?坊や? お母さんのお使いかな? オレンジ色? 果物のオレンジとか オレンジジュースなら あるんだけど…」 男の子は何も答えず… じぃっ と主人の顔を 見つめていると… そこへ 慌てた様子で 店に飛び込んできた 女の人。 どうやら この子のママみたい。 「すいません また うちの坊や変なことを…?」 店の主人は笑いながら… 「かわいい坊やですね (笑)」 そう答えたけど 男の子のママは ペコペコと 頭を下げて平謝り。 「ねぇ ママ… オレンジのナミダって 無いの?」 帰り道 男の子は ママの手をぎゅっと 握りしめ 小さく呟きました。 「…そうね」 ママは そう小さく頷くと 「坊やがある って想っているなら… あるんじゃないかしらね♪」 そう言って にっこり答えました。 それが余りにも 嬉しかったのか… 男の子は こんな話をし始めました。 「実はね…今日黄色い人間を見たんだ☆'」 と 嬉しそう。 「黄色い人間?」 ふふっと ママが笑うと 「ぁのね ぁのね 時々色が変わるんだよ。赤とか青とか… 怒ったり泣いたり… 忙しい人間でしょ。」
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