~第2章~

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………。 ……。 …。 もう何匹殺したのか… 奴らは闘争本能があるかぎり向かってくる。 私がもう限界だと思ったとき、耳に届くかすかな羽音。 意識が朦朧としているので、空耳かと思い、あまり気にしていなかったが、だんだんとその音は大きくなっていく。 …これは空耳ではない。 そして、もう誤魔化しようのないほどの羽音は私の後方で止んだ。 振り向きたくはなかった。 周囲のランポスたちも動きを止めている… 私の直感が振り向くことを拒絶し、危険を知らせる。 だが、私は振り向かなければならない。 そして、私はゆっくりと首を後ろに向けた。 …声が出ない… もう嫌になる光景だった。 その姿は大きく、緑を背景に映える赤色の皮膚… 壮大にして気高い王者 『リオレウス』 …今の私に選択肢など残されてはいなかった。 そして、瞬間にこの依頼の裏が読めた… ランポスたちの餌不足… すべてこの王者のせいである… 村人たちも知らなかったのだろう。 私は走った。 力の限り走った。 森を抜け、草原を走り、大きな滝のある場所まできた。 辺りを見回すとリオレウスの姿はなく、私は安堵感に包まれる。 それと同時に無性に悔しかった… 目に浮かぶ涙をぐっと堪え、この前のランポスとの戦いを思い出していた… 少女の顔が忘れられない。 私は少女に嘘をついた。 彼女が真実を知るのは時間の問題だろう。 …私は自分の小ささに苛立ちを覚えた。 所詮、奴らにとってはとても小さい存在だろう… 少し牙を立てれば脆く崩れ、雄叫びを上げれば、立ちすくむ… 人間とはそれほど弱い存在だろうか? そう考えたとき、私は自然と…自分の剣を研ぎ、ポーチにあるアイテムを確認していた。 母が作ったお守りを握り締め、額にあてる… 私は奴のいた場所に足を向けた。 リオレウスと遭遇した場所に戻ると奴は優雅に食事中だった。
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