6人が本棚に入れています
本棚に追加
………。
……。
…。
もう何時間が過ぎたか…
回復薬もそこをついた。
あれからお互いに致命傷を与えるほどの攻撃ができずにいた。
私に残っているのは、奴の皮膚が通る事を許さないこの剣のみ。
それも刃こぼれを起こし、今にも折れるかと思わせるほどだ。
そりゃそうだ、落とし穴を使ってからは奴も隙を見せない…
当然、斬れるのは堅い皮膚のみ。
まぁ、それでも効いていたようだが…
援軍が来る見込みもない。
私のハンターとしての知識を総動員しても、私にはもう一つしか手段がない。
リオレウスに気付かれぬよう私はそれが可能な場所へと移動する。
そうその手段とは、今ここで爆弾を調合するしかない…
しかし、材料が無ければ、そこで終わりだ。
奴に勝てはしないだろう。
私は辺りの草を調べた…
ニトロダケはすぐに手に入ったのだが、火薬草…
暑い地域でしかほぼ採れないとされている植物。
ここで採れる可能性があるとすれば、陽の当たる場所。
私は必死に探した…
もう諦め掛けていたその時、森の中に広がる小さな草原に出た。
そこに広がる赤い花…
そう火薬草だ。
私は持てるだけ持ち、ニトロダケをアイテム袋から取り出した。
ニトロダケと火薬草で爆弾が完成し、樽はメラルー達の巣にある。
これしか思いつかなかった。
この爆弾がどれほどの効果があるか分からないが、これに掛けるしかない。
これで駄目なら、私もここまでのハンターだったということだ。
私はさっそく爆弾の調合に取り掛かり、慎重に調合を繰り返し、2つの大タル爆弾が完成した。
またあのリオレウスと対峙するときが来た。
たかがランポスの退治に来ただけでリオレウスとかち合うとは、運がない…
そう心の中で何度も叫んだ。
すぐに奴を見つけた。
奴も私の気配に気付いているようだ。
しかし、正確には把握していないらしい。
何度も首を上げ、辺りを見回すようなしぐさを繰り返している。
最初のコメントを投稿しよう!