~第1章~

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突然だがハンターになろうと思った。 家庭は貧しく、その日に食べる物さえままならない。 そんな環境で育てられた私は幼心にこう思ったのだった。 「大きくなったら、絶対ハンターになってやる。 僕は裕福な生活を送ってやる。」 現在、私の村にハンターはいない。 正確にはいなくなってしまった。 昔はとても優秀なハンターが数多くいたらしいのだが、いかんせん、小さな村にそれを継続する力などあろうはずもなかった。 彼もそのハンターの1人だったらしい。 いつも外でつったっているあの爺さん、このクロム村の村長だ。 あの爺さんが昔は凄腕ハンターだったらしい。 だが、それも本当かどうか怪しい。 そして、今は私がこの村のハンターになった。 周囲の人間には全員一致で反対をもらった。 特に母には反対されてしまった。 「お父さんがいなくなって、私があなたをどれだけ大切にしてきたとおもってるの? もし、あなたまで帰らないようなことがあったら…」 と泣き出す始末。 だが、私の決意はそんなことでは揺らがない。 半ば強引にハンターとなってしまった。 なってしまえば、あとは何とかなるだろうと…。 さて、これから私は初めての仕事に行く。 内容はランポスの討伐依頼だ。 3日前、私の村にある女性が息を切らせて走り込んできた。 彼女はその場で倒れ込み、今は村長の家で療養中である。 1日が経ち、彼女は目を覚ますが、村長が彼女に1日寝たきりだったと伝えると、血相を変えて 「どうか、どうか私の村をお救いください。 時間が…時間が…」 かなり興奮した口ぶりで村長の腕をぐっと掴み、放そうとしない。 「まぁ、水でも飲んで、ゆっくりと状況をお聞かせ願いますかな?」 村長が水を差し出すと彼女は水をグッと飲み、一息つくと話し始めた。
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