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私は依頼を受けたのだが、村長は相当心配らしい。
街のハンターを呼んだと言っていた。
何でも村長の古い知り合いだそうだ。
そのハンターが到着次第出発とのこと。
そして、そのハンターがやってきた。
彼の風貌は背中に大剣、鎧は胸までの金属製。
何より目を引くのが左だった。
肩から指先までが無いのだ。
正直、不安は隠しきれない。
片腕のない男でも大剣が振るえるのか?
しかし、その男は私に向かってこう言った
「俺の名はダグだ。
おい、小僧、そんな玩具でいいのか?」
……玩具だと?
私が初めて手にした剣を玩具と言うのか?
「玩具ではありません。
何かご不満があるのでしたら、私は1人でも行かせていただきます。
そして、小僧でもありません。
ザロイと言います。」
…絶対変えてやらん。
そんな事は私のプライドが許さない。
…………うそだ、そんな金はない!
ハンターナイフを買うだけでもういっぱいいっぱい。
「あぁ、そいつぁ悪かったなぁ、小僧。」
…このおっさん。
殴ってやろうか…
「ダグよ、ザロイを任せたぞ。
なんせ、こやつはまだハンターになりたてじゃ。
無理はせんようにしっかりと見張っていてくれ。」
と村長がダグに念を押す。
「分かってますよ、村長。
お守りをすりゃいいんでしょ?
行くぞ、小僧」
…ほんとに、殴ってやりたい。
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