~第1章~

6/10
前へ
/64ページ
次へ
階段を発見し、1段目に足を掛けようとした刹那の出来事だった、2階から奴らが襲ってきた。 あまりに突然のことで反応が少し遅れてしまい、1匹の爪が私の肩に殴るように当たる。 その力に窓を突き破り、建物の外に吹き飛ばされた。 ランポスの知能から、待ち伏せはないと踏んでいた私は驚きを隠せない… いや、そんな事を考えている場合ではない、この状況をどう打破するかを考えなければ… 私の周りを円を描くように囲むランポス。 私は腰のナイフを抜き、身構える。 奴らは私が隙を見せる時をじっと待っている。 体勢を低く構え、首を突き出し、あるものは威嚇し、あるものは微動だにしない。 何分経ったか、いや…何秒経っただろうか? ランポスたちとの睨み合いが続く。 そして、1匹が余所見をしたとき、私はそいつに飛び掛かった。 余所見をしているランポスもさすがに反応は見せるが、私だって鍛錬を積んできた。 奴が打ち下ろした爪を避け、首を薙ぎ払った! …が、数が多すぎた。 奴らは仲間がいるなどと微塵も気にせず、ランポスたちは私の命を奪うべく飛び掛かってきた。 腕を裂かれ、脚に牙を食い込ませる… あまりの出血に意識が飛びそうになるが、ランポスたちがそれを許さない。 気が遠くなる度に攻撃を浴び、痛みが脳に伝わる。 苦痛以外の何者でもない刺激が体を走り、意識が呼び戻される。 私の命はここで終わりを告げた…
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加