6人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、私にはその言葉は意味を持つことはなかった。
ダグは私を貨物運搬用の荷台に乗せる。
村から出ようとした時、1人の少女が私の元へやってきた。
「お兄ちゃん、ありがとう。」
少女は泣きながら言う…
「でもね、私のパパとママがどこにもいないの…」
涙を拭いながら、私を見る少女…
「…!?」
よく見ると私がランポスに襲われた家の写真に写っていた少女だった。
「あっ…」
私は答えることができながった。
この子に両親が殺されたことなどどう説明できようか…
こんな小さな少女に真実を話すことはとても重い…
が、それを察してか、ダグが
「嬢ちゃん、パパとママは少し遠いところに行ったんだ。」
そう言うと少女を抱きかかえ空を指した。
「ほら、あそこにお天道さんがあるだろ?
パパとママはあそこに行っちまったんだ。」
「じゃあ、またすぐ会えるの?
ねぇ、お兄ちゃん、パパとママにまた会えるの?」
少女の言葉が私の頬を涙で濡らす…
そして、少女の手をそっと握り、私はうなずいた。
すると少女はニコッと笑顔を見せる…私はまた拳に力が入った。
それと同時にまた涙が出た。
これで良かったのだろうか?
私は自問自答を繰り返し、家路に着いた。
最初のコメントを投稿しよう!