願いを叶える店

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『悪魔だ』 『存在してはいけない』 『最厄を呼ぶ』 『消えろ』 『悪魔を殺せ!』 『あいつに消滅を』 『あいつに崩壊を』 『あいつに死を』 武器を持った者が走り回る道に路地がある その物影に人の影 「ハァハァハァ……っー」 (なんで…私が…) 黒く長い髪の女は壁に背を預けズルズルと座り込んだ 体は傷だらけで出血も酷く腕は折れている 人の足音がすると身を強張らせる 「いたか?」「いや、あの傷ならそう遠くにいけないはずだ。」「悪魔を見つけなければ…」 武器を持った人達はまた走り出した 「嫌だ、死にたくない……」 女は歯を食いしばって立つ折れた腕を抑え歩き始めた 歩き回ってふと一軒家の門の前で足を止めた 和洋の家だった 女は何故か吸い寄せれるように敷地入ってた 門をくぐるとすぐ庭で少し歩くと雨が降っていない事に気がついた 上を見上げるとドーム状に“雨が”よけていた 「ここは…」 「此処は店よ」 女は急に話し掛けられ、とっさに振り向きざまで身構える 「!?っー」 「願いを叶える店…貴女の願い叶えましよう」 話し掛けたのは黒いドレスを着た女だった
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