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「可愛かったな…追いかけようかな…」
って違う違う!
何を変なこと言ってるんだ俺!
俺はココでアイツを待っているんだ。
おっと、ある意味良いタイミングでアイツが走りながらこっちへやって来た。
「はぁ、はぁ…ワリィ雄太~待ったか~?」
この、マイペースな口調の主が俺の親友、佐伯 隆斗(サエキ タカト)
中学からの付き合いでコイツとは苦楽を共にした仲だ。
普段はこんな感じでのんびりしてる奴だが、いざって時はしっかりしていて、頼りになる。
「まったく…お前はいつもギリギリだな隆斗」
「アハハ…」
「笑ってごまかすなよ」
「うむ、かたじけない」
「…………」
「スイマセン」
真顔で俺に謝る隆斗。
コイツたまに変な日本語使うんだよな…
ボケてるつもりなのか…もしくはマジで…?
まぁそこら辺には触れないでおいて、とっとと行くとするか…
「別にいいよ、いつものことだし、それより早く結果見に行こうぜ」
俺がそう言うと隆斗はパァと明るい顔になる。
単純な奴め(笑)
隆斗のこういう単純なとこは好きだ、もちろん友達として。
断じて変な意味ではない
とぼとぼ隆斗と並びながら歩く俺。
「ゆ~う~た~」
いきなりなんだコイツは…
「い、いきなりなんだよ」
「一緒に合格しような!」
…全くコイツは…
好きだぜコノヤロウ!
あ、断じて変な意味ではない。
「お、おぅ」
とは言ったものの俺、入試微妙だったんだよな。
隆斗は頭良いからほぼ受かったも当然だが…
神様、頼む~!
隆斗だけ受かって、俺が落ちるなんて最悪なパターンだけにはならないでくれ~!
どうせ落ちるなら隆斗も一緒に~!
「…雄太何やってんの?」
「へ?」
気づけば俺は手を組んで片膝を地面につけてお願い神様~のポーズをしてる。
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