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横たわっている時も思ったけれど、このカーペット、靴越しでもふわふわ感が分かるな。
まぁそれよりもこれからどうするか、なんだけど。
なんかありえない状況なのに落ち着いて慌てない自分がいやだ。
とりあえずあてもないし、ここから見えるかなり遠くの曲がり角目指すか。
距離はざっと二百メートルぐらい。
だるい…。
コツンコツンと、革靴を響かせながらレッドカーペットの上を歩く。
「ったく、ここはどこなんだよ…」
誰もいないと分かっていながらも、つぶやいてみる。
「貴様は知らずしてここに来たのか」
突如自分以外の声がだだっ広いこの廊下に響く。
「どこだ!」
誰だ、と聞かなかったのは、多少喧嘩に自信があるからだ。
相手に名乗らせる必要なんかない。
「ここだ」
気付けなかった…。
真後ろから声を掛けられ、俺は時計の針のようにゆっくり振り向いた。
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