~第十八章 この想い君に~

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「ほら、月!私達も帰りましょ。」 「う、うん!」 言わなきゃ。 言うなら今だよね。 さっきから心の中で繰り返している言葉。 私が言いたいこと、それは二人に対しての返事……。 私の答えはもう出ているのだ。 でもいざとなると口から出て来ない。 今言わなきゃいつ言うんだ。 そう自分に喝を入れる。 よし、頑張れ自分っ! 「紅、翔、待って!」 その言葉に二人だけじゃなく、みんなの足が止まる。 私の顔はきっと真っ赤。 真っ直ぐに二人を見れなくて、つい下を向いてしまう。 「あのね、私分かったの。自分の気持ち。」 すでに私達六人しかいなくなった教室に、私の声だけが響く。 私のその言葉で分かった二人は、私の前に並ぶ。 鈴はソッと私から離れて見守ってくれている。
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