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「はい。まだ2日しか経過していません。私も驚きました。」
チラリと手元の資料を見て答えた剛は、それを楠に渡す。
「『ダークネス』内の経過時間を遅くしたが、まさか2日とはな……。」
「…………。」
「私もあまりグズグズしている時間はなさそうだな。」
そう言うとスーツの上着を脱ぎ、椅子にかけた。
「……どちらへ?」
「私のゲーム機を取りに行くだけだ。彼等が『吉凶の居城』に辿り着くのに、そう時間はかからないだろう。」
そう言うと社長室のドアに手をかける。しかし楠はすぐにドアを開けず、剛を振り返った。
「剛君。」
「はい。」
「……バグは『あれ』だけかい?」
その言葉は真剣そのもので、今の問い掛けがどれだけ重要なことか物語っていた。
「……はい。それ以外は何も問題ありません。社長…。『ダークネス』は最高のゲームですよ。」
「ふふふ…当然だ。」
その言葉を最後に楠は部屋を後にした……。
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