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私達はあれからずっと泣き続けた……。
軽く一時間は過ぎていて……、私以外は酷い表情ながらも落ち着きを取り戻していた。
「……俺、ちょっと違うクラスを見て来るぜ。」
「……オレも行く。」
そう言って立ち上がった翔に続いて劉牙も教室を出て行く。
教室には未だ涙の止まらない私と顔を歪めた紅が残された。
「……月。」
ポツリとそう聞こえたと思った瞬間、グイッと引っ張られる感覚。
……私は紅に抱き寄せられたようだ。
「……泣きたいだけ泣けばええ。」
優しく……子供をあやすように話掛けるその言葉に、止まりかけていた涙が再び溢れる。
あんなに泣いたのに、いつになったら私の涙は止まるのだろう…?
翔と劉牙はもう泣くのを止め、現状を把握しようとしているのに。
紅も本当は二人と行きたかったんじゃないかな……?
泣いててごめんね……。
迷惑かけてごめんね……。
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