キリンとブルーフラミンゴ

肩透かしな女

翌朝、私はいつもより早く出勤して４人のパソコンを立ち上げた

そして４人の趣味に合わせてネットから画像を取り込んで、壁紙にした

今日はこのくらいにしてやろう…

４人は出勤してきてもまだパソコンに気付いてなかった

課長が『なんだぁ～こりゃ』と先に気付いた

『課長の好きな競馬ですよ。武豊…』

『なんでこんなことしたの…』

『お気に入りに競馬情報も入ってますから見てください』

課長はまだネットをクリックするだけマシ

『おおお！凄いじゃないか』

『たまにはパソコンでやって、資料も打てるようになってくださいよ』

多分課長は今日一日パソコンを見ているだろう

他の三人はクリックの右も左もわからない

村上さんには将棋、大暮さんには飲み屋情報、海原さんにはインターネットニュースとグラドル

いじってはいたけど課長ほど関心なさそうだ

前途多難だな…この４人

お昼ご飯は屋上だＧＷ迎え外も暖かく天気もいい

『藤川君、最近は弁当ばかりだね』佐々木さんだ

『整形したからお金ないんですよ（笑）節約してるんです』

『今時珍しいな…料理とかやるんだ』

『昔からしますよ。土曜日はだいたい料理作り置きしたりするんです。だから用事は全部日曜日です』

『でも今週の土曜日は空けといてね。映画のチケットが土曜日までなんだ』

『了解です。大丈夫なんですか？彼女さんいたりしませんか？』

『今はフリーだから安心してよ。じゃあね』

…フリーなんかじゃない。絶対女いるよ、あの余裕は…

男も女もそうだけど、相手がいるから合コン行くんだよね。いなかったら余裕なんてないもん

まあ私なんて合コンすらあきらめてる。余裕ある、ないの問題じゃない

佐々木さんと話せば話すほど遠い人で、あまり圏内に入りたくなくなる