肩透かしな女

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『つまらない人だなと思いました』いつものフードコートで私は世良さんに話した 『下心というかまたまた肩透かしさ…(笑)ここまでしてやったのにハムスターの餌だからな。その男の顔が見たかったよ』といつものように上品に焼きそばを食べていた世良さんは笑った 『憧れてのに。いえね、彼にはなんの落ち度もないですよ。エスコートの仕方から誘いかた…会話も百点満点だと思います でもそれ通じるのは同じ世界の女で、私みたいに地味な奴にはわからないんです。私にしたらただの接待にしか思えませんから…おかしいですか?私』 『おおいにおかしい(笑)男のプライドぶった切りだなぁ。これで原因がわかったよ、君が男に一言残される事、地味なくせにとか言われるのもさ』 『はあぁ…なんでですか』 『君って多分セックスもMだし、すべてMのかおりが醸し出されてるんだ。でも違う どSなんだ(笑)気付いた男は地味なくせに、イコールMのくせにって言いたい。つまりセックスが上手いのはSだからな 違わない?』 なんか世良さんの言葉がしっくりきた。ストレートで飾りがない。さすがは精神科医だ 『お手上げかも…世良さんすごいです。私今週の真ん中の休み29日にもう一人ランチの約束してるんです。また先生に話します』 『アハハハ楽しみだね。京都は3日4日だからね、その時聞くよ』 恋人でもない人と旅行なんて初めてだ。ランチよりワクワクする、当たり前か(笑)
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