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『深い問題だね。俺は医者やってる…っていっても心療内科のカウンセリングやらしてる。医師なんて呼べるかどうか疑問だよ。でも俺みたいな変人が1番向いてる職業かも…なんか患者さんの気持ちもわかれば、冷静に判断もできる
最近は忙しいね、ホントに…昼ご飯食べれないこともある』
私達は閉園時間まで長々と話しをしていた
『このまま、焼鳥屋で一杯どう?』
『いいですね。先生って呼んだらいいかな』
『好きなように呼んで。世良でも龍馬でも』
冷たく見えた変人の世良さんはそこそこ普通…に感じた。ここまではだ
この人の飲みっぷりはいい。店に入っていきなり生ビール3杯軽く呑んだ
底無しだった…お陰で私は酔い潰されてしまったのだ
気がつくと世良さんのマンションだった
『悪かったね、飲ませ過ぎて。泊まってく?それともタクシー呼ぶ?』
と素面でパソコン打ちながら私に聞いた
泊まってく?タクシー呼ぶ?間のない人だ…
『あ、タクシー呼んで下さい。私明日仕事だから』
世良さんは電話でタクシーを呼んだ
『今度からは泊まれるようにしなよ。着替えとか持っておいで』
私は驚いたと言うか言葉が出なかった
『一つ部屋空いてるから貸したげてもいいし…いつでもどうぞ(笑)』
真顔で言うあたり、そこそこ普通じゃない。変人だと思った
タクシーでマンションに帰った私は、唯一の部屋の友達ハムスターのサラミに餌をあげた
そしてなぜか…世良さんの部屋に置くパジャマやら服のお泊りセットを箱に詰めた
そして翌日の朝世良さんに教えてもらった住所に荷物を送った
あくまでも、昨日のように酔い潰れた時用だと手紙を添えて…
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