~林間学校~

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目が暗闇に慣れると部屋の片隅に何かいる事に気付く。 その【何か】は小刻みに震えていた。 『え・・・G子ちゃん?』 それは同室のG子だった。 G子は部屋の片隅で体育座りをしながら布団にくるまっていた。 小刻みに震えて。 『ねぇ、どうしたの?』 私が声をかけると、G子は震える右手の人差し指である場所を指した。 布団が入っていた押し入れだ。 襖を誰かが閉め忘れたのか10cm程開いている。 皆さんも一度は経験があると思うが、 夜中に起きて襖が少し開いていると、何も無くとも少し怖いものだ。 G子は恐らくそれで驚いたのだろう。 私はちょっとおかしくなって 『何?これに驚いたの?G子ちゃんは怖がりだなぁ~!』 と笑いながら襖を閉めようとした。 襖に手をかけた瞬間、私の目に入ったモノがあった。 ・・・人がいたのだ。
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