~林間学校~

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私はその【人】と目を合わせてしまった。 人間とは不思議なもので、 心底驚いた時や恐怖を感じた時は時が止まるようだ。 動けず声も出せず。 その時の私がまさにそれだった。 そして同じように襖の中にいた【人】も時が止まっていた。 数秒間だがバッチリ目が合った。 確かに【人】だった。 顔もハッキリ覚えている。 50代くらいの中年の優しそうな男性だ。 恐怖というより心底驚いた。 だが相手はもっと驚いていたようで、 しばらく私と見つめ合った後、慌ててどこかに消え去った。
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