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私が恐怖を感じなかった理由。
それは・・・
サイズにあった。
皆さんは【小さいおっさん】の話を聞いた事があるだろうか?
巷では妖精だとか言われている都市伝説のソレだ。
私が出会ったのは、顔は50過ぎのおっさんで身の丈10cm程度のソレ。
当時、【小さいおっさん】の都市伝説など露ほども知らない私は、少々パニックになって笑いながらG子に問うた。
『G子ちゃん、おっさん見た? おっさん!!』
するとG子は震えながら
『見てない! 見てない!! ちっさいおっさんなんか見てない!!』
と小声で叫んだ。
見たのだ。
G子は間違いなく私と同じものを見た。
しかしあまりの恐怖にその記憶を消し去ろうと必死に否定している。
私はそんなG子の気持ちに気付かず、
自分と同じものを友達が見たという事実が嬉しくて
『今、ちっさいおっさんって言ったよね?私おっさんとは言ったけど、小さいなんて言ってないのに!!』
とG子に詰め寄った。
これがいけなかった。
G子は張り詰めていた糸が切れたように号泣してしまったのだ。
それに気付いて同室の子が全員起き出し、夜中にちょっとした騒動になった。
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