暝夜の泉

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「何で一緒にいるの?」 ラミアはキョトンとして言う。 「途中で拾った。またこいつが方向音痴で迷ってたんだ。」 呆れたように白いドラゴンだった青年は神父服を着た青年を指差して言う。 白髪の短髪、白いコートを着た端正な顔立ちの青年。 この青年の名はクレオ・カールマン(年齢不祥)。 風を司る神獣ウィンドウドラゴンでハリスの召喚獣。 クールな性格だが、他の人の世話を良く妬く苦労人。 本人曰く困ってたら放っては置けないらしい。 「あっちゃあー、また迷ってたのノアったら。」 ラミアは苦笑して神父服の青年に言う。 「…すみません。」 神父服を着た青年はラミアに謝る。 金髪の短髪、眼鏡を掛け神父服を着た端正な顔立ちの青年。 名はノア・ライデン(年齢不祥)。 人の姿だが、真の正体は光を司る神獣ラミアに仕える従者のホーリーラビット。 ハリスの召喚獣で極度の方向音痴で良く道に迷う困った兎。 「いいよ。許してあげる。いつもの事だしね。」 ラミアはあっけらかんと言った。 いつもの事だしねと言うラミアのそんな何気ない言葉がノアの心にグサリと突き刺さった。 ノアは沈んで項垂れるが、ラミアはノアの様子を見てキョトンとすると?マークを頭に浮かべる。 「…馬鹿。」 無言のままクレオの隣にいた女性は、ラミアに聞こえない程度に呟く。 淡い桜色の肩まである髪の長さ、緑色のマントを着た端正な顔立ちの女性。 彼女はルージュ・ピシリー(年齢不祥)。 人の姿だが、真の正体は風を司る神獣クレオに司る従者でハーピィだ。 ハリスの召喚獣で無口でクールな性格だが、以外に毒舌。 ボツりといつも毒舌を吐く。 「とりあえずこれで全員揃ったね。」 ハリスはクスッと笑って皆に言う。 神獣、従者の皆は一斉に静まり返るとハリスに視線を向ける。 「ハリス、貴様俺達全員を集めるなんて一体何を考えている?」 レミルは容姿に似合わず、大人のような雰囲気で冷静にハリスに尋ねる。 「…デスガリウスをここにいる皆で封印しようかなって思ってね。」 ハリスはクスッと笑って答えた。 「何んで封印なんだよ!?あんなドラゴンなんか別にハリスの力を借りなくても俺達全員集まらなくたって倒せるぜ!?」 フレアは訳が分からないと言った感じでハリスに反論する。 ドゴッ 「ヘブッ!!」 有無を言わさずアカネの鉄拳がフレアの顔面にめり込む。
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