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「何しやがるアカネ!!」
痛さにこらえ鼻を押さえながらフレアはアカネに文句を言う。
「てめぇは馬鹿か!?私達でさえもあのドラゴンには勝てねぇんだよ!!」
アカネはフレアの胸ぐらを掴んで言う。
「…アカネの言う通りだ。フレアの言う倒し方なら我ら神獣を除いて他のドラゴンなら容易に倒せるだろう。」
カノンは淡々と言う。
「だが、デスガリウスはただのドラゴンではない。魔界で投獄されていた闇龍だ。俺達はあくまでも神や悪魔に継ぐ存在でしかない。」
クレオはフレアを見据える。
真剣な表情で他の神獣、従者達がフレアを見る。
「…つまり、俺達だけじゃデスガリウスを倒す所か封印するなんで出来ねぇって訳か?」
フレアは苦々しく言う。
「…もちろん僕でもデスガリウスを倒す事は出来ない。だから封印するしか方法が他にはないんだ。」
ハリスは苦笑してフレアに言った。
「…でも、封印でさえもそれ相当の魔力を使うわ。封印するのに貴方の体が耐え切れる訳がない!!」
それまで黙っていたリナが悲痛に顔を歪ませハリスに反論する。
…リナ様…。
エリックは複雑な表情でリナを見る。
「私は嫌よ。貴方を失うなんて…。」
リナは涙を流しながらハリスに言った。
「んっ…。」
ハリスはゆっくりリナに近付くとリナに口付けをして唇を離す。
「…///?」
予想して無かったハリスの口付けにリナは思わず顔を赤面させる。
「…リナ、僕を信じて。僕は決して君を一人にしないよ。」
ハリスはリナの涙を指で優しく拭いながら微笑んでリナに言う。
「死んだら承知しないわよ馬鹿。」
リナは涙目でムッとして言うと、ハリスに抱き着く。
「分かったよ。」
ハリスはクスッと笑うと抱き着いて来たリナを優しく抱き締めた。
そんな二人を他の神獣や従者達は微笑ましく見守る。
次の日にデスガリウスを封印する事になったハリスは神獣や従者に
「早く寝ろ。体に負担掛けるな。」
散々言われて仕方無く再び病室に戻りベッドで眠る。
ハリスはふと目を醒まし辺りを見回した。
ハリスがいる場所は、暗い闇の中らしく前方には大きな泉が見える。
「瞑夜の泉か…。」
ハリスはポツリと呟く。
瞑夜の泉ー神界、魔界、下界の狭間にある瞑界に存在しており、瞑夜の泉とは唯一四つの世界を繋ぐ事が出来る場所である。
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