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「いつでも覚悟は出来ているさ。」
ハリスは真っ直ぐアリオスを見据えたまま言った。
「よせアリオス!!…ちっ…!」
イーゼルはアリオスを制するが、逆に手でアリオスに制され舌打ちする。
「イーゼル、君の気持ちも分かりますが、例えハリスの真剣な気持ちに答えてあげる事も神や悪魔としてもわたし達の務めです。」
アリオスはイーゼルを見据えて言う。
「…。」
イーゼルは黙り込む。
「僕の運命を教えてくれ。」
ハリスは淡々とアリオスに問い掛ける。
「では答えて差し上げましょう。君は明日確実に死にます。」
アリオスは真っ直ぐハリスを見据え答えた。
「…僕が死ぬ?困ったな。絶対に死なないってリナと約束したのに…。」
ハリスは悲しげに微笑んでそう言うと下に俯く。
アリオスとイーゼルは複雑な表情をする。
「最高神が言った事なんだ。僕は本当に死ぬのは間違い無いだろうね。」
ハリスは苦笑する。
「…運命はどう足掻いても変えれないのが運命ですからね。」
アリオスは悲しげに言う。
「どうせ僕が死ぬのなら、君達二人に頼み事があるんだけど、頼まれてくれないかい?」
ハリスは閃いた顔をした後、クスッと笑ってイーゼルとアリオスに尋ねる。
「わたし達でよければ」
「頼みくらい聞いてやるよ。」
アリオスとイーゼルは互いに顔を見合せた後、キョトンとしてハリスに答えた。
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