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嘘つき
長い夜が開け朝日が上り、レーティング国を照らす。
「皆、準備はいいかい?」
茶色いローブを身に纏ったハリスが後ろに振り返って神獣や従者達に言う。
「バッチリ準備完了!!」
ラミアは無邪気に笑って言う。
ノアはそんな無邪気なラミアに微笑む。
「いつでも大丈夫だ。なぁ、シルビア?」
カノンは微笑みながらハリスに言う。
シルビアはカノンの言葉に頷く。
「いつでもいいぜ。」
フレアは自信満々に言った。
「いつでもいいって…てめえ肝心な所でヘマしたらシバキ倒すからな?」
アカネは呆れながらフレアに言う。
「ヘマしねぇよ。」
フレアはムッとアカネに言う。
「本当は僕顔に傷付くから戦いたくないけど、世界を守るためなら仕方無いね。」
サハラは苦笑する。
「黙れクソ野郎。てめえの顔なんか知るか。」
ミーアはサハラ以外に聞こえない程度にドスの効いた顔と声でサハラに耳打ちした。
サハラは真っ青になり涙目になる。
訳がわからない他の神獣や従者、ハリス達はキョトンとしてミーアはニコニコしながら微笑む。
「ミゼリシャ、あまり無理はするなよ?」
肩車しているミゼリシャにカイリは心配しながら言う。ミゼリシャはコクンと頷く。
「ハリスの役に立てるなら私頑張るわ。…貴方もそう思うでしょう?エミリオ…?」
アリスは笑顔でそうハリスに言うと、隣にいるエミリオに振り返りドスの効いた顔で言う。
アリスの顔が凄まじかったのでエミリオはこれでもかってくらいに激しく首をコクンコクンと上下させ何度も頷く。
「クレオ、暴れるのも程々にした方がいい。」
ルージュはポツリと呟くようにクレオに言う。
「それはお前の方だろう?」
溜め息をついてクレオはルージュに言った。
「ハルカ、頑張りましょうね。」
イオンはやる気満々にハルカに言う。
「…あぁ。」
…気のせいか?こいつが言うと違う意味で恐怖を感じさせる説得力があるのは…。
ハルカは内心そう思いながら頷いた。
「…ちっ!」
レミルとミルフィーユは複雑な表情でハリスを見た後、苦々しくレミルは舌打ちしてハリスから顔を背けた。
…何かしら?胸騒ぎがするわ…。
リナは内心胸騒ぎを感じながら困惑する。
…リナ様…?
リナが困惑している様子を見て、エリックは不安げにリナを見る。
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