嘘つき

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「ラミア、ノア。デスガリウスの位置掴めるかい?」 ハリスは二人に訪ねる。 「へっへぇ~んだ。もうやっちゃってるもん。」 ラミアは悪戯っぽく笑って言う。 同じ闇属性が気配を辿るよりも、相反する属性である光属性の方がより早く気配を辿れる。 「気配からしてここより東458キロ。丁度レーティング国とムヤマ共和国の国境付近ですね。」 ノアは目を瞑り気配を辿りながらハリスに答える。 「…もうそこまで来ていたのか。」 ハリスは眉を寄せ、顎に手を当てると呟く。 「ただ…」 ラミアは浮かない不安げな顔をして言葉を濁す。 「どうしたの?」 ハリスはラミアの様子にキョトンとして尋ねた。 「すっごく嫌な気配。ただの純粋な闇じゃなくて…何と言うかさ…怒り・憎しみ・恨みとか色々な憎悪の感情が入れ混じった闇なの。」 ラミアは下に俯くと、怯えた表情でハリスに言う。 「憎悪が混じった闇…か。」 ハリスはアキサムを思い出し悲しげに呟く。 「…ハリス。」 リナはハリスの心境を思い複雑な表情をする。 「とにもかくにも、僕達はデスガリウスを封印する事が先決さ。」 ハリスはクスッと笑って言う。 ハリスを心配して不安げな表情をするリナ、エリック、気乗りがしないイラついた様子のレミル、複雑な表情をするミルフィーユ以外の神獣や従者達はやる気満々に笑みを浮かべる。 「ハリス、お前は只でさえ病弱で対して役に立たない使えん奴だ。一気に俺が転移魔法でこいつら共々移動させてやろう。」 レミルはハリスを真っ直ぐ見据えて言う。 「…使えん奴って相変わらずはっきり言うね。」 ハリスは苦笑する。 「貴様のような青二才のガキと契約してやったんだ。それだけでも有難いと思え。」 レミルは嘲笑うようにハリスに言う。 …言葉使いが変わるのはやはり二種類一人称があるからですね。 ミルフィーユは苦笑いしながら思う。 「全ての時限を司りし時よ。我が名は時の神獣レミル。時の時限に逆らい我らは空間転移させん。タイムワープ。」 カチカチッ レミルが呪文を唱えた途端、歪まれた様々な時計が出現し皆の真下に巨大な時計が出現した。 カチンッ バシュウウッ 巨大な時計の秒針が12時になった途端、紫色の光に包まれた。 そして光が消えた後には皆の姿は何処にも無かった。 風が吹き抜け、レーティング国ののどかな朝を風が駆ける。
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