嘘つき

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そして空間転移魔法でハリス達は目的の場所に辿り着いた。 「!!」 目の前に広がる光景に驚愕しハリス達は言葉を失う。 建物はまるで積み木のように脆くも崩れ落ち、かつては人間や何かの種族だと思われる屍は散々になった肉片となり点々と崩れ落ちた建物や破壊された道に続いていたからだ。 屍から漂う真新しい血の異臭が周囲に立ち込めている。 「…酷い…残酷過ぎるよ…。」 ラミアはペタンと座り込むとポロポロと涙を流し、目の前に捨てられたように落ちている幼い少年の頭を手に取る。 少年の顔は恐怖に引き吊った表情で瞳孔は開いたままだ。 ラミアは涙を流しながら少年の開かれた目を手で触れ閉じてやる。 フレアはギリッと歯を噛み締め、ハルカは拳を握り締める。 アカネは怒りの表情になり、カノンは静かに怒りを露にする。 「ノア、デスガリウスの位置は?」 ハリスはノアを真っ直ぐ見据え問い掛ける。 「既にここにはありません。ここから西へ2000先のボヤージュ国跡かと…」 ノアは苦々しくハリスに答えた。 「そうか。…ここをこのままにはしておけないね。皆、亡くなった方々を埋葬してあげよう。」 ハリスは皆に言った。ハリスの言葉に皆は頷く。 エミリオ、フレア、、ハルカ、シルビア、エリック、レミル達は周囲に散らばっている屍を集め、ノアは集められた屍に聖書を取り出し、十字架を掲げて神の言葉を次々に述べて行く。 クレオとルージュはノアが神の言葉を述べ終わった跡に屍を丁寧に土に埋葬して行く。 アリスは力を使い、木を大量に出現させる。 カノンとアカネがアリスが出現させた木々をそれぞれの力で真っ二つに切り刻み、リナ、イオン、ミーア達三人は切り刻まれた木々をロープで十字架の形にして墓標を作る。 そして全ての屍を埋葬し終えた後に、一つずつ墓標を立てながら積んで来た花をハリスや皆は添えて行く。 「こんな非道な虐殺の限りを尽くすデスガリウスを、僕達は何がなんでも封印しなくてはならない。永久にね…。」 全ての墓標を立て終え、花を添え終わったハリスは墓標に視線を向け、そして後ろいる皆に振り返ると揺るぎない意志を宿した瞳で言った。 「行こう。デスガリウスを封印しに。」 ハリスは凛とした口調で皆に言う。
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