暝夜の泉

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「くたばれ馬鹿ナルシー。てめぇはお呼びじゃねぇんだよバーカ。」 サハラの隣にいた少女が凄まじい形相でサハラにだけ聞こえる程度にボソリと暴言を吐いた。 「…。」 グサッグサッ ピシッ サハラの心に暴言が突き刺さり、あまりにも精神的ダメージで石化する。 「?どうかしたの?」 ラミアはサハラの様子が気になったので少女に尋ねた。 「さぁ?どうかしたのでしょうか?」 少女はさっきと180違う純粋無垢な表情でいかにもサハラを心配したように言う。 水色のショートヘアー、大人しさを強調した水色のゴシックドレスを着た美少女。 名はミーア・キャスティア(年齢不祥)。 人の姿だが、真の正体はマーメイドで水を司る神獣であるサハラに仕える従者だ。 ハリスの召喚獣ととも外見とは裏腹にサハラにだけ毒舌ドSな小悪魔的美少女。 「よぉ!ハリス!リナ!久しぶりだな!!」 サハラ、ミーアの隣にいた女性がヒラヒラ手を振りながらハリスに言う。 紅い髪のロングヘアーを一つにまとめ、袖無しの紫色のタンクトップに、緑色のスラックスを着た美しい女性。 名はアカネ・バーズリ(年齢不祥)。 焔を司る神獣、フレアに仕える従者で真の正体はフレイムタイガーだ。 ハリスの召喚獣であり、男勝りな性格でフレアを弟のようにしか思ってない。 「久しぶりアカネ。」 ハリスは微笑む。 「久しぶりね。」 リナも微笑む。 「フレア、お前あたしがいなかった間に厄介事を仕出かして二人に迷惑掛けたりしてなかったろうな?」 アカネはポキパキと両手を鳴らしながらフレアに言う。 「仕出かす訳ねぇーだろ。」 フレアはムッとすると隣に来たアカネからそっぽを向く。 「?」 アカネはキョトンとした。 ハリスとリナだけが知っているが、フレアはずっとアカネを恋愛対象として見ている。 アカネに子供扱いされてフレアは気分が最悪だ。 鈍感なアカネもアカネだが、フレアを哀れに思うリナとハリスだった。 「いきなり呼び出すんじゃねぇーよハリス!!」 ハリスの腰までくらいしかない身長の少年がハリスに文句を言う。 紅紫色の短髪、黒いマントを着た幼いあどけなさが残る可愛らしい少年。 名はレミル・クロノス(年齢不祥)。 姿は幼い子供だが、真の正体は時を司る神獣バハムートだ。 時の狭間を行き来するために、この世界では子供の姿でないと実体を存在させられないので幼いのだ。
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