暝夜の泉

8/13
前へ
/38ページ
次へ
ハリスの召喚獣であるが、他の神獣よりもプライドが高い。 「急に呼び出してすまないね。」 ハリスは苦笑してレミルに謝る。 「レミル様、ハリス様は私達の主なのですよ?少しは態度を自重なさって下さい。」 レミルを諭すように女性は言う。 「主であろうとガキにペコペコ頭下げられるか。」 レミルは両腕を組むとそっぽを向く。 女性は呆れてレミルの態度に溜め息ついた。 薄紫色の髪でおかっぱくらいの長さ、やはりレミルと同じく黒いマントを着た端正な顔立ちの女性。 ミルフィーユ・クロイド(年齢不祥)。 人の姿だが、真の正体は時を司る神獣レミルに仕える従者のクロノキャットだ。 ハリスの召喚獣でプライドが高いレミルによく手を妬いている。 「ハリス、暫く見ないうちに少しやつれたか?」 鍛え抜かれた筋肉質な体系の青年がハリスを見て心配そうに尋ねる。 青年の肩の上には肩車されている幼い少女がいる。 茶髪の短髪でツンツン頭、黒いジャケットに黒いスラックスを着た端正な顔立ちの青年。 青年の名は、カイリ・ウィリスター(年齢不祥)。 人の姿だが、真の正体は地を司る神獣アースドラゴン。 ハリスの召喚獣で神獣達の中でも心優しく色々と気遣ってくれる。 茶髪の腰まであるロングヘアー、白いワンピースを着た可愛いらしい幼い少女。 そしてカイリに肩車されている幼い少女は、ミゼリシャ・アーストレー(年齢不祥)。 人の姿だが、地を司る神獣カイリに仕える従者のノームだ。 同じくハリスの召喚獣で大人しいシャイな性格のため、カイリとハリス以外他の神獣達でさえも怖がってしまいなつかない。 「そうかい?最近は前に比べて食欲が増した方なのにな。」 ハリスは苦笑してカイリに言う。 ミゼリシャは心配そうにハリスを見つめる。 「心配掛けちゃってごめんね。僕は大丈夫だよ。」 ミゼリシャの頭を優しくそっと右手で撫でてやるとハリスは微笑んで言う。 その言葉に安堵したのかミゼリシャもやんわりと微笑む。 「…よぉ、久しぶり…。」 不意に後ろから声が聞こえたので全員が後ろに振り返る。 そこには瞼や唇、頬など顔面のいたる所を腫らした痛々しい顔の青年とその隣には平然としている女性がいた。 男性陣は全員青ざめ、女性陣は苦笑する。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加