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暝夜の泉
様々な種族が人間と共存する世界ーヴァンフォーレ。
その世界には、それぞれの国々で様々な文化や経済、高度な科学技術、魔法が存在している。
所が、悪意のある召喚魔術士により地獄より投獄されていた死の闇龍…デスガリウスが召喚された。
デスガリウスは召喚した召喚魔術士の命と引き換えにこの世界を滅ぼすと誓う。
そしてデスガリウスによって栄えた国々は次々に滅ぼされ、今では強力な魔法結界で防衛している魔法の国、レーティング国一つのみだ。
レーティング国では、国を滅ぼされ命からがら逃げ伸びた他国の難民が押し寄せており、結界が破られいつデスガリウスに滅ぼされるか分からない恐怖に民は怯えている。
そんなレーティング国の都市、カルディナシティでは中央病院の一室でベッドに横になっている一人の青年の姿があった。
金髪の短髪、切れ長の端正な顔立ち、華奢な体系で青いパジャマを着た青年は窓から見える外の景色を見詰めている。
彼の名は、ハリス・マークレーウェン(22)。
このレーティング国が誇る天才召喚魔術士だが、元来体が弱く病気を患っていた。
そしてその病気は不治の病で魔法や科学技術が進んだ医療技術を持ってしても治せなかった。
それでも彼は生きている時間を楽しみたいと言ってヴァンフォーレが誇る伝説の神獣達を探し戦いを挑み屈服させ全ての神獣を召喚獣にさせた。
だが、その時に体の無理が祟ったのか病気を悪化させ召喚獣と国に帰るなり病院に入院する事を余儀なくされ入院生活を強いられる。
「ジッとしていてもつまらないね。」
ハリスは溜め息をつくと、ベッドから上半身をお越しう~んと両腕を上げ伸びをする。
「我慢なさい。無理をして大人しくしてなかった貴方が悪いんだから。」
棚の上に水を入れた花瓶を置き、椿の花を花瓶に挿した女性は呆れ気味にハリスに言う。
「病人は病人らしくジッとしてればいいのよ。」
紫色のロングヘアーを一つにまとめ、文句無しの完璧なプロポーションを強調するかのように露出した服を着た美しい女性はハリスの頬を軽くつつくと腰に手を当てた。
彼女の名は、リナ・スェリエス(年齢不詳) 。
今は人の姿をとってはいるが、真の正体は闇を司る神獣ダークドラゴン。
ハリスの召喚獣であり、今では二人共互いに心を通わせた恋人同士だ。
「リナ、僕が大人しくジッとしているように見える?」
ハリスはクスッと笑ってリナに尋ねる。
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