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その女の子はまだ目が覚めてないのか、キョロキョロしている
すると、入り口にいる私を見つけて目を見開いた
あ…挨拶するべき…だよね?
必要以上は関わりたくないし、とりあえず冷たくしとけばいいよね
「おは…」
「あー!!!」
……………………
さ…遮られた…
女の子は私を指差して叫ぶと、どんどん近づいてくる
どうしよう…
私が内心焦っている間にも、女の子は目の前まで来ていた
「私!!桐生燕<きりゅうつばめ>!!
転入生だよね?
これからよろしくー!!」
燕と名乗った女の子はニコニコしながら私の両手を握って上下にぶんぶん振っている
触らないで…
私の中にさっきと同じ記憶が甦り、他人との関わりを拒絶する
いやだ…イヤ……
しかし、燕がそれに気付くはずもない
私はついに怒鳴ってしまった
「触るな!!!!」
ビクッ!!
燕が体を震わせるのがわかった
嫌われたかな…
いきなり怒鳴ってごめんね……
私はまた、人を拒絶した
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