第一章

5/36
前へ
/37ページ
次へ
それを聞いた桐生は、顎を右手でおさえ、考える素振りをした。 「うーん、ちょっと痛めつける必要があるって事か?」 その言葉にシンジは頷き、桐生に話した。 「かなり抵抗するでしょう。 でも、こっちには兄貴がいるんだから、大丈夫ですよ!」 シンジは歯を見せて笑った。 それを見た桐生は、『フッ』と鼻で笑い、シンジに向かって言った。 「お前、あんまり無茶するんじゃねえぞ。」 そう桐生から注意を受けたシンジは頭を掻いた。 「へへ!悪い事してんのは、アイツ等の方ですから、問題ないっすよ。」 そう言い終えたシンジは、思い出したかのように人差し指を立て、話を続けた。 「それに、俺らよりよっぽどカタギ泣かせてるって話ですよ。 …で、そいつ等の事務所はココの五階です。 早く行きましょう!」 桐生は頷くと、背中を車から離し、組んでいた手を解いた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加