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それにしても、あんな打ち頃を見逃すなんて・・・・・・
例えて言うなら、巨乳ロリのぢょしこーせーが自分で手錠しながら
「あたしを食・ べ・ て ♪ 」
と言ってるのに何もしない位間が抜けているぞ。
・・・・・・ああそうか。
あまりに甘すぎる球だから、罠とでも思ったか。
例えて言うなら、前述のぢょしこーせーの背後に、 M-16 ライフルを構えた某スナイパーが控えている、とでも言うような。
・・・・・・などと馬鹿馬鹿しいことを考えている間に。
「 ―― ストラーック、バッター、アウッ ! 」
五月女が、トップバッター・安藤を、三振に切って落としていた。
しかし妙なことに。
安藤は結局この打席、一回たりともバットを振らなかった。
手が出ないような際どい球は、初球ぐらいのものだったにもかかわらず。
続く二番・氏家。
スタンダードな構えで、どこにでもスッとバットを出せそうな巧打者スタイルのバッターという印象。
そんな氏家に、五月女は低めの変化球で的を絞らせないようにする。
そして、カウント 2-2 の平行カウント。
やや低めにストレートが入る。
氏家はこの球に・・・・・・
・・・・・・手を出さない。
「ストラック ! バッター、アウト ! 」
結局氏家も見逃しの三振。
奴もまた、バットを一回も振っていない。
「どういうことだい、新浦 ? 」
俺は新浦に聞いてみる。
すると新浦は、すこしうなった後、
「・・・・・・偶然、とは思えないな・・・・・・もう少し様子を見る必要があるな」
と言い、右打席に入る三番打者の姿を目で追う。
三番・稲葉。
大きな構えが、パワーヒッターであることを物語っている。
そしてネクストバッターズ サークルで は、あの “ 残念な奴 ”――
―― 木下藤吉が、その稲葉に向かって、なんか怒鳴っている。
「 ―― さあ、いつも通り下ごしらえや ! いきなり強火だとガスがもったいないさかいな !! 」
? ? ?
あの残念な奴、いったい何を言っているんだ ?
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