510人が本棚に入れています
本棚に追加
「見ての通り、 奴らの打線は四回以降、不自然なくらい大爆発している・・・・・・これは俺の推測だが、三回までの間に何か・・・・・・ 木下曰くの “ 下ごしらえ ” をしているのは間違いない。
それが何か、と言うことまではスコアカードからは読み取れないが・・・・・・」
そう言って、新浦は頭を抱えてため息をつく。
もしこの傾向が今回の試合にも当てはまるなら、あと 一イニングの後、我らが先発・五月女はあの残念な連中の前になすすべなく炎上する、ということになる。
先のケースで ENESSA だけがそれに当てはまらなかったのは・・・・・・
・・・・・・単純に、 ENESSA のエース・アズナブル翔が “ 神 ” だからに他ならない。
そうなる前に、この三回 の表裏の間で何とか奴等の秘密を暴かなくてはならない。
この三回のうちに・・・・・・
「あっ ! 」
俺は思わず声を上げた。
「どうした深山 ? 何かわかったか ? 」
新浦が俺の顔を覗き込み、答えを求める。
俺は満面のドヤ顔で、奴にこう答えてやった ――
「 答えは簡単。奴らが四回以降に本気を出すなら ――
―― 三回でこの試合を終わらせてやればいいんだ !! 」
次の瞬間。
「はぁ ? 」
「ちょっと深山サン !? 遂に頭おかしくなったぁ ? 」
「もともと頭が良いとは思ってませんでしたが、ここまで馬鹿だったとは ! 」
久々に、新浦、カナ、辻の “ 残念トリオ ” による “ ジェットストリームアタ (ry” が炸裂するが、俺は構わず話を続ける。
「馬鹿なのはてめぇらだろう! コールドだよコールド! コールドゲーム!! 確か今大会は7点差つければコールドだろ!?」
最初のコメントを投稿しよう!