残念な奴が倒せない

8/10
前へ
/311ページ
次へ
すると、 「はぁ・・・・・・つくづく残念だなお前」 「そうだねぇ・・・・・・」 「そうですねぇ・・・・・・」 と、新浦、カナ、辻 三人揃ってため息をつく。 なんなんだお前ら ? 俺、別におかしなこと言ってないだろ ? 俺が三人の態度に腹を立てていると、新浦が哀れむような目で、静かに俺に言った。 「お前、大会規定ちゃんと読んでないだろ・・・・・・いいか深山、今大会で得点差による コールドゲームが成立するのは “ 七回以降 ” だぞ ? 」 え・・・・・・ 「えぇぇぇぇぇぇーっ !! 」 ベンチ内に俺の絶叫がこだまする中、カナと辻は、 「あはは! 深山サンいっそのこと“馬鹿ドル”として売り出したらぁ? ・・・・・・あの岩大横浜のキャッチャーだったヒトみたく!」 「ムリですよカナ先輩・・・・・・あの“神崎の女房役” ・神栖勇作 ( かみす ゆうさく ) と違って深山サン、馬鹿なだけで愛嬌ないですから」 「そっかぁー !  それもそうだね若菜 ! 」 などと言って馬鹿笑いしてやがった。 つーか。 仮にも六大学の一角・明大出の俺を、 “ おばかアイドル ” の神栖なんかと一緒にするな。 ちなみに、神栖勇作とは、 頭の残念さと独特の愛嬌 で一躍ブレイクした若手俳優 。 頭の残念さとともに、その輝かしい球歴もまた有名で、高校時代は名門・岩田大横浜高校の正捕手として、あの神崎とともに甲子園へ出場。 怪我のためプロは断念したものの、ブレイク前は俳優業の傍ら、黎明期の阿見 ST に所属し、プレイした経験もあるという。 ・・・・・・で、何の話だっけ ?
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!

510人が本棚に入れています
本棚に追加