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「御園生 香苗(みそのお かなえ)、か」
横浜市内の、とあるフィットネスジム。
彼女の携番とアドレス、そして名前が書かれた紙片を手に、訳知り顔に呟くのは、俺の悪友にしてこのフィットネスジムのオーナー兼チーフトレーナーの新浦琢哉(にうら たくや)。
俺とは中学の野球部以来の付き合いで、肩を痛めて現役を退いてからは、自身の経験を生かしてフィジカルトレーナーの勉強を始め、プロ野球「横浜」のトレーナーなどを経て、このほどついに開業するまでに至ったという。
そんな奴だから、プロ・アマ問わず、球界にはかなり顔が利く。
「・・・新浦、お前、何か知ってるのか?」
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