~第零章~別世界への逃亡

2/14
2854人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
魔王…それは血肉に飢えた悪魔たちを統べるもの…魔王はこの世の絶対悪、災いの神。いるだけで平凡な民間人を恐怖に陥れる存在といわれている。 ここはある城の敷地内… 敷地内にある木々が赤く燃えており地面には大きなクレーターが無数にできておりかなり荒れている。耳を澄ませれば金属がぶつかり合う音がし爆発音もし断末魔も聞こえてくる。まさに地獄絵図に近い状態である。 そんな状況の中で剣を持った男性が盛んに叫んでいる 「皆の者!我々の勝利は近いぞ!今こそ憎き魔王にわれわれ正義の裁きを下そうぞ!」 「おおー!!」 男がそう言うと周りで槍やら火のついた松明を持って武装した兵士たちが叫んだ。 「悪魔どもを皆殺しにしろ!」 「我々には勇者様が付いているのだから何も恐れることはない!」 兵士たちは勢いよく進軍し城の城門を目指して突進していった。男は馬にまたがり自分の前を走っていく兵士の群れを見てニヤニヤと笑っている。 「ふはは!やはりこうではないとな。魔王には悪いが私のためにせいぜいもがいてくれ… はっ!」 男がそう呟き馬の手綱を叩き走らせていった。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!