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「おい…大丈夫か?」
「くっ……雷帝…すまない」
炎帝は雷帝と呼ばれた灰色のコートを着た男性の肩に乗られて物凄いスピードで城の方へ走っていた。
「お前がここまで追い込まれるなんてな…相手はかなりの使い手か…」
「違う…あいつは…金剛玉を使って…いて…」
「何!金剛玉だと!?バカな…あれは人間が使えるものじゃないぞ!」
「だがあいつは金剛玉を発動させてた…現に私がこんな状態だ…」
「信じられん…」
「それよりも魔王さまは…」
「魔王さまは別次元のゲートを完成させたぞ。あとは生き残りだけでゲートをくぐるだけだ。」
「…そうか……」
「変なことを考えるなよ…」
雷帝は急にだまりこんだ炎帝に落ち着いた声で話しかけた。
「…何のことだ?」
「仲間の仇を討つために自分だけ残って戦うなんて思っていないだろうな。」
「ふん…お前たちがいるんだ一人かけたぐらい大丈夫だろ…」
「…そうしたら若は悲しむぞ…」
「!……」
「今は無理だがいずれ再び戦う時が来る…その時に思いっきり戦えばいいだろ…」
「……降ろしてくれ。もう大丈夫だ…」
炎帝は雷帝の肩から降りて自分で走り出した。走っている顔には大粒の涙が頬に流れてとても悔しそうにしていた。
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