春雪

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営業マンの歩く歩幅は広いらしく、少し話しただけでもうアパートに到着した。 大家の部屋に行き、博多駅で買ったお土産を渡すのと引き換えに部屋の鍵をもらった。 大家の中年のおばさんの愛想のなさというのは素晴らしく、挨拶して土産を渡したのに何一つ喋らなかった。 「あぁ、あのおばさんはいつもだから。」 慎吾に話すと大きな声で言った。 声の響く階段なのに聞こえたらどうするつもりなのだろうか。
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